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トーチソング・トリロジー (ネタバレあり) 
【1988年 アメリカ】
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監督: ポール・ボガート
出演: ハーヴェイ・フィアスティン  アン・バンクロフト   マシュー・ブロデリック
     ブライアン・カーウィン   カレン・ヤング

オフ・オフからスタートし遂にブロードウェイ本道を制覇、トニー賞の戯曲賞、男優賞を受賞した傑作舞台の映画化で、作者のファイアスティン自身が脚色・主演を兼ねた、生粋のニューヨーク産ムービーとも言うべき小品(all cinema)

※この映画はオススメです!
未見の方で、もし「れいんさんがそこまで言うなら観てみるか」
という気になった奇特な方がいらしたら(笑)
この先は読まずに鑑賞した方がイイと思いますー。
観てすぐにサラサラと感想書けるタイプの映画と
好きなんだけど、筆が進まないタイプの映画がある。
この映画は私にとっては後者のタイプ。
受け取るものはたくさんあるのに、それを文字だけではまとめにくくて。
だけど、日にちが過ぎていけばますます書けなくなりそうだから
陳腐な言葉の羅列になっても、感じた事を書いておこう。
この映画の事、忘れたくないもんね。

<あらすじ>
女装趣味でひと昔前のタイプのゲイながら、素晴らしい芸人である優しい人間性を持つ男を主人公に据えた、知的かつ哲学的なコメディ。物語は、人間としてはほぼ完璧でありながら、ゲイのために周囲に騒動を起こしてしまう男の日常を、時に淡々と、時に劇的に描き、公開当時アメリカで絶賛された(all cinema)


こういったタイプの映画で思い出すのは
『ヘドウィグ&アングリーインチ』『プルートで朝食を』 (スミマセン。もっとあるかも)
そのどちらも、とても好きな映画なのだけれど
『トーチソング・トリロジー』は、その二作品よりも、『家族』というテーマをより深く描いていると思う。

物語の主人公は、ゲイバーのエンターティナー(クラブ歌手)のアーノルド(ハーヴェイ・ファイアスティン)
楽屋の鏡の前での彼の独白から、この物語は始まるのだけど
その自嘲的な語りの中に、彼が抱えてきたこれまでの苦悩や孤独
それでいて愛に溢れ、愛を与える事を惜しまない彼の人物像がとても分る。
この段階ですっかりアーノルドが好きになり、アーノルドの幸せを願ってしまう。
のっけからすぐに感情移入させられるあたりが、この映画の凄いところだね、うん。

この物語を大きく分けると、『恋人エドとのパート』
『新しい恋人アランとのパート』
そしてアーノルドの『家族とのパート』
の三つに、分けられるのかな?
そのどれもが愛しくて切なくて、誰一人憎める人がいないの。
その立場に立てばそう思うだろうというのがシッカリ描き込まれているから。

アラン(マシュー・ブロデリック)とのパートでは、ハラハラ見守る方向にいた私。
だってアランってあんなに若くて可愛いんだもの。
アーノルドが利用されて捨てられるんじゃないかと、めちゃめちゃ心配したんだよ(笑)
だけどアランは全然周りなんか気にしてなくて、とても純粋にアーノルドを愛してて。
それはもう感動すら覚えるくらい(笑)アランありがとよー!ってカンジ(笑)
ま、若さゆえのちょっとした遊びゴコロはアランにもあって
なんでまた相手がその人なのよー(笑)的なエピソードもあるにはあったけれど
それがまた嘘臭くなく「そんな事もあるだろうね」みたいに微笑ましかったり。
ていうか、それでドロドロにならないところがこの映画の醸し出す温かい雰囲気なのね。

そして次に『家族』のパート
この部分が、数あるゲイ映画でも深く描かれていなかった部分で、
この映画が突出する理由は多分そこにあるんだろうね。
アーノルドと母との関係。
アーノルドの期待に応えられなかった自分に、酷く負い目を感じていて
かといって自分を偽る事もできず
こんな自分を理解してほしい認めてほしい愛してほしい と願い続けているんだよね。
母も、愛しちゃいるけど、そんな息子を理解できなくて
その腹立たしさを色んなところにぶつけてるってところがまた人間らしくて。
そんな母と息子の
愛したい、愛されたい、理解したい、理解されたい、認めてほしい、認めたくない
という切ない思いが随所に描かれてて
それも振り絞るような心の叫びだったりするから、もう泣けて泣けて。
私も『母』という立場にいるから、どちらの気持ちも分るのよー。

だけどね、アーノルドを観ていたら
誰もがきっとアーノルドを愛せずにはいられないでしょうね。
一生懸命生きてるもの。そして愛に溢れた人だもの。
後半のエドとの関係も、とても心温まるものがあって。
愛情というより、友愛・情愛・・イヤ、家族愛に近いかな。

この映画には
好きな場面が多すぎて、書いてたらキリがないのだけれど
ディビッドの学校に呼び出されて、うさぎのスリッパで駆けつけるアーノルドが大好き(笑)
その時のデイビッドの反応も好き。いい子なのよ~。
あと、デイビッドに朝の挨拶を強要(笑)し、チュ♪として貰った後の
アーノルドの嬉しくってたまらないって表情もとても可愛くて好き!
ホントにお母さんなんだね、ってしみじみ。もうめっちゃ可愛いお母さんだー。

そして
アーノルドが愛した『家族達』
このうえなく愛しそうにギュッと抱きしめるあの場面。
心揺さぶられて、愛と優しさが沁みてくる名場面。
この映画が伝えたいメッセージはそれなんだろうね。

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みんみん #7Eqz1Hfg
待ってました! 
れいんさんがこの映画のレビューを書いてくれるのを待ってました。
私の生涯ベストに入る映画なんです~。大好き!
映画全体が大きな愛にくるっと包まれててあったかいですよね。アーノルドったらダミ声だし美形でもないけど、とってもカワイイですよね。私、うさぎのスリッパ欲しくなって探したりしてました(^^
母親との関係も、最初はアーノルド寄りの気持ちで見ていたのだけど、最後は、ああ、このお母さんにもこの人の人生があって、辛い思いもしてきたんだなって思ったら、じわああああ~っときました。
なんていうか、ボキャ貧の私が言うとクサくなってしまうけど、人を愛するのって受け入れるってことかなと思いました。「それでいいのよ」って。
観たあと、幸せな気持ちになりますね~。人に優しくしたくなるような。。
れいん #-
みんみんさん 
あーーすみません。遅筆な上に、こんなへっぽこレビューで(汗)
アーノルド、ビジュアル的にはホントに「男が女装してる」的な
しかもそんなキャラだと風当たりキツそうな(笑)年齢にも達してるのに、可愛くてたまりませんよね。
早朝、隣で眠っているオトコ(笑)を起こさないように、ベッドを抜け出し
ヒゲをそったりいそいそ身支度してまたベッドに戻って寝たふりをする場面とか
とてもいじらしかったです^^
>人を愛するのって受け入れるってことかな
ホントにそうですね~。
って、映画観てたら素直に思えるのに、何で現実ではそれができないんだか私(笑)

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