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悪い女~青い門~(スーパー・ギドク・マンダラ)   
【1998年 韓国】
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監督: キム・ギドク
出演: イ・ジウン  イ・ヘウン  アン・ジェモ  チョン・ヒョンギ
この映画はキム・ギドク監督38歳の時の作品らしい。
ギドク映画は、人によって好き嫌いが分かれるだろうと思いますし
鑑賞後の『爽快感』とは遠いところにある映画だとも思います。
ただ、私の中では、良くも悪しくも、爪あとを残していく監督だよなぁ、という印象で
共感はできないし、腹だたしかったりする時もあるのだけれど、なぜか惹かれてしまう監督なのです。
ギドク映画は、世の無常とか不条理とか怒りとか、そういった負のパワーを生半可じゃなくぶつけてくるので、受け止める方もパワーが必要で(笑)
そして観た後、色んな感情がゴウゴウ渦巻くんだけど、それをうまくまとめられないのです。
ていうか、まとめようとは思ってません。もう諦めました(笑)
感想を書くとしたら、思ったままを垂れ流す方向で。うん、それしかないと。

で、この映画、どんだけ「ギドク曼荼羅」なんだろうかと
おそるおそる鑑賞したワケですが
時代が時代なだけに古臭いメイクやファッションであるとか
出演者があまり知らない俳優さんであるとか 
(※主演のイ・ジウン「セリが帰ってきた」LBHと共演してたのね。気付かなかった)
女優さんの一人がダイナマイトボディであるとか
(※ダイナマイトボディのイ・ヘウン「冬ソナ@ドラマ」「春香伝」にも出演。」「春香伝」は結構好きな映画)
・・・って、そんな事を差し引いても・・
あーーどうしよう・・私、『好きだ』と思っちゃったんですよー。
今まで観た計7作品のうちで、もしかしたら好き度上位に入っちゃったかも・・(汗)
あ、でもこれはホントに好みの問題ですから、観る人によっては頭に来るかもしれないので(笑)
私の印象はくれぐれも参考にしないで下さいね。

舞台はとある民宿
ジナという女は、そこに娼婦として住み込む。
ジナの過去については、余分な事は描かれていないけれど(このあたりギドク作品特有のところ)
幾つかの断片的なエピソードにより
ジナがどんな人生を送っていたのか、また、どんな人物なのかは、うっすら分る。
彼女は実に、イライラするほど喋らないし、イライラするほど怒らない。
序盤、なぜこんな女性像を描くのかと、いったい何が言いたいのかと感じた時もあったのだけれど
途中から不思議な事に、なぜかギドク監督優しい目線を感じてきました。
(この見方が正しいのかどうか、全く自信はありませんが)

ジナの哀しみを、淡々と同じ目線で描き出し
時に、ジナの慈愛の心を、褒め称えてるようにも感じたのです。
むしろジナは、周りの人達を救っている菩薩のような存在だとも。

ジナは、ほとんど誰に対しても「拒絶」をしないかわりに(過剰な時以外は)
誰かに関心を持つという事もあまりなかったように思うのですが
ただ一人、民宿の娘、ミヒにだけは特別な感情を抱いているようでした。
でも、それがなぜなのか、これまた分るようで分らないような・・

ミヒと友達になりたかったのか
自分にない物を持ってるミヒが眩しかったのか
または自分と同じ匂いをミヒに感じてたのか
相変わらず、欠片だけをバラ撒いてい、置き去りにしていくギドク監督
痒いところはハッキリ掻いてくれーみたいな歯痒さを感じつつも(笑)
結果的には、否応なく胸が締め付けられるというか、心揺さぶられるというか・・。
ジナの心を覗き見ると、切ないやら愛しいやら・・
ミヒの心の変化も、性へのめざめも、ジナとの心の交流にも、温かいものが込み上げてきて。
いえ、ジナやミヒだけでなく、他の登場人物にも、そう感じてしまうような、優しいものがこの映画にはありました。←念押しておきますが、これは私の偏った見方かもしれません。

水槽にポツンと泳ぐ赤い金魚も何か象徴的だったし
そんな危なっかしい場所で情事ですかい?みたいな場面も
愛の歓びを交わす事の何と美しきかな、と魅入っているうちに
下界のものに女体を与えているとでもいうような崇高ささえ感じてしまったのはどうした事か(笑)
ま、とにかく色んな感情を呼び起こさせられる映画とでも言っておきます、ハイ。

ギドク監督38歳の作品
当時から、こんなに揺さぶるものを創っていたとは恐るべし。
まさに「ギドク曼荼羅」でしたわ。
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